アートは今の自分を映す鏡『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』|おすすめ本レビュー(あらすじ/感想)
この本の主役である白鳥さんは、ほぼ先天的な視覚障害者で朝か夜かもほとんど分からない。物心ついたときから光や色の情報がないため、色の記憶もなくイメージすることもできない。つまり私たちのように視覚的なイメージを脳内に映し出すことはできない状態で、全国各地のアートを鑑賞してまわっている。という人物である。
ではどのようにして白鳥さんがアートを鑑賞するのかというと、美術館のスタッフや同行した知人に、絵の前でその絵についての情報を会話で解説してもらい、“概念として”自分の中にイメージを思い浮かべて鑑賞するのだという。