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【続編発表!】『天穣のサクナヒメ』はただの稲作ゲーにあらず。“命あふれる日常”が愛おしい良作品|ストーリー推しゲームレビュー

2022年11月『天穣(てんすい)のサクナヒメ』が発売2週年を迎えた。

「本格的すぎる稲作ゲー」として話題になり2年間で世界累計出荷100万本を突破。

オリジナルストーリーの漫画化や後日談の小説、他のゲームとのコラボなど、

その後も人気は続いている。

そして2周年を期に「続編が予定されている」という旨の発表も。

GWや夏休みなどのセールでも常連なので、

まだプレイしていないひとも、ふだんあまりゲームをやらない人も、

ぜひプレイしてサクナヒメの魅力に触れてみてほしい。

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こんなひとにおすすめ
  • さくっと遊べる良ゲーを探しているひと
  • キャラに感情移入できる作品が好きなひと
  • アニメや小説の「日常もの」が好きなひと
  • お米が好き、おいしいものが好きなひと
目次

『天穣のサクナヒメ』ってどんなゲーム?

あらすじ

武神と豊穣神を両親に持つサクナは家の財産を食いつぶして、ぐうたらな生活を送っていた。

ころがある日、神界に迷い込んだ人間たちを都に侵入させてしまった上に、

主神への献上物である米の備蓄を全て台無しにしてしまうという失態を犯す。

罰として鬼が支配するヒノエ島の調査を命じられ、サクナは人間たちと共に泣く泣く島に渡るのであった。

果たしてサクナたちの運命やいかに・・・・・・。

引用元:『天穣のサクナヒメ』公式サイト

稲作シミュレーション×探索アクション

サクナヒメは大きく2つのパートに分かれてゲームが進行する。

ひとつは稲作パート。

拠点となる村の食糧確保と、焼失させてしまった献上用のお米をつくるために

ド素人の状態から米づくりをはじめる。

これが農林水産省のサイトを参照しても苦労するほどの本格ぶりで

「本格的すぎる」稲作ゲーとして話題になっていた。

もうひとつはアクションパート。

農具と羽衣を武器にして、島の鬼(見た目は取り憑かれた動物たち)をやっつけながら

探索を進める横スクロールアクションで、コンボや叩くと相手がふっ飛ぶ仕様がなかなか爽快。

コンボはボタンを連続で押す組み合わせでさまざまに派生。操作はシンプル。

スマブラが横スクロールになったような操作感で、それほど難しくはない。

アクションで詰まないためのプチ攻略テク

それでも横スクロールが苦手な人はいると思うので、

サクサクと探索を進めるためのテクニックをひとつだけ紹介しておく。

それは羽衣技のひとつ「飛衝搥(ひしょうつい)」という技。

相手に羽衣をくっつけた後、自分がびろーんと後ろに下がってから

ゴムパッチンのように勢いをつけて相手に体当たりして吹っ飛ばす。

飛衝槌(ひしょうつい)

技の説明には書いてないのだが、このびろーんと後ろに下がっている間は無敵になるのがポイント。

敵の攻撃がキツくなってきたらこの無敵で回避すれば使えばピンチを脱出できる。

ストーリークリアまで一貫して使える便利技である。

敵が密集してきたらびろーん、強い攻撃を繰り出してくる敵が来たらびろーん

とりあえず困ったらびろーん、と覚えておけばアクション苦手な人には役に立つと思います。

(終盤やクリア後の強い技については攻略サイトや動画などをご参照ください…)

探索は、ステージで倒した敵や拾った木の実などは食材として、

採掘した石や木などを肥料や村の発展のための素材として持ち帰る

“狩り”のようなシステムになっている。

そしてつくった米と得た食材で毎日ごはんをつくり、食べたらちゃんと寝る。

(食事のシーンは本当においしそうなので時間帯によっては飯テロ注意)

翌朝になると攻撃や防御などのバフ(ステータスアップ)がつき、

元気もりもりの状態でまた狩りに出かけていく。

これを繰り返しながら毎日をすごしていく。

稲作パートはやってみると最初は専門用語が多発して難しいが、

丁寧な説明があるので詰まる心配はない。

ぱっと見むずかしそうだが、ちゃんと丁寧な説明があるので大丈夫。

肥料の配分や季節ごとの工夫など、

いろいろ試行錯誤しながら田んぼが発展していくのは嬉しい充実感もある。

(クリアまでの所要時間はだいたい25〜30時間程度)

いちばんの魅力は“日々を重ねていく”ストーリー

あえて断言すると、サクナヒメの一番の魅力は

キャラクターたちと過ごしていく“日々そのもの”である。

村人ひとりひとりに物語がある

まず主人公のサクナヒメがかわいい。愚痴っぽくめんどくさがりだけど、

とても素直で、根はやさしく世話好きでもある。

魅力的な主人公と設定は、すっと世界観に入っていける。

ゲームが進み、稲作と狩りを繰り返して島を探索しているうちに、

はじめはいやいや付き合っていた村人たちとも仲良くなっていく。

ボロボロだった村の設備を協力して立て直したり、

とつぜん誰かがいなくなって探しまわったり、

ほのぼのとしつつも起伏のあるストーリーが展開していくのだ。

このゲーム、ひとたび稲作がはじまるとそこから時間の概念に支配されることになる。

朝から夜へと時間がどんどん進行し、四季も移り変わって年数が積み重なっていく。

畑仕事をしても狩りにでかけても時間は止まってくれない。

もしご飯を食べ忘れてしまったら、翌日はへろへろだし、

不作の年はおかずも少ない貧しいごはんで飢えをしのがなくてはいけない。

それでもちゃんと毎日、村人たちは全員そろってご飯を食べていっしょに寝る。

ストーリーに相まって、このやけにリアリティを帯びた

“毎日をいっしょに生きていく”感覚が、

プレイ時間を重ねるごとにどんどん愛おしいものになっていくのだ。

ここがプレイし終わって心に残ったサクナヒメの最大の魅力である。

ネタバレを恐れるほど大きなどんでん返しはないものの、

「え?」と驚く瞬間や「そうなっちゃうのか!」という

意外な展開も村人ひとりひとりに用意されており、

エンディングを迎えるときにはきっと温かい気持ちに包まれることをお約束する。

ささいなことで悩みながら、みんな生きていく

ちょっと抜けてるけどやさしくて頼れるサクナヒメをはじめ、

優等生ゆえの劣等感に悩むココロワヒメ、元サムライで不器用な田右衛門、

ぶっきらぼうなきんたなど、登場人物たちは

どこか人間らしい弱さがあり、悩みをかかえたひとばかり

ひとりじゃ何もできないキャラクターたちが、

ささいなことに悩み、助け合って立ち向かいながら、

それぞれの道を少しずつ進んでいく。

感情をぶつけ合いながら少しずつ分かり合っていくやりとりは

とても現代的な共感があり、ストーリーに厚みを持たせてくれる。

漫画や小説でもオリジナルストーリーが展開

サクナヒメは公認のスピンオフ的な漫画や小説も発表されている。

どちらも後日談的なストーリーが描かれている。

これはベースとなるゲームのストーリーがおもしろく、

しっかりとサクナヒメの世界観を作り上げるベースが確立されている証拠だと思う。

ストーリーがシンプルでかつ強く、キャラクターもみんな魅力的だから、

どんどん世界が広がるし、他作品とのコラボにも呼ばれやすい。

ちなみに未プレイのひとが先に漫画や小説を読むとネタバレ要素も含まれているので、

プレイ予定またはプレイ中のひとはぜひ、ゲームの感動から先に味わってほしい

続編に期待すること

気になるサクナヒメの続編はまだ構想中の段階みたいだが、

続編に期待することはやはりストーリー。

1作目の人物がその後どうなっていくのか、新しいキャラクターもきっといるはずだし、

ココロワヒメや都の神様たちみたいに、まだまだ描ききれていない人物との関わりも

新たな世界観の広がりを持たせてくれそうだ。

稲作やアクションのさらなる進化も楽しみだが、いずれにしても

サクナヒメが大事にしている“日々を一生懸命にいきることの素晴らしさ”を

さらに感じられる作品になることは間違いないはずだ。

プレイするだけで毎日がちょっと明るくなる、

そんなバカポジティブな路線で、次回も楽しませてほしい。

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