「次に必ず来るアルトコインはこれ!知りたい人はいいねしてキーワードを送って」
2024年末、そんな投稿がXに溢れていました。
ビットコインが爆上がりして仮想通貨ブームが再来。アルトコイン爆益ブームがそれに便乗してささやかれていた時期のこと。仮想通貨を始めたばかりのぼくは、そのひとつに「ものは試し」と5000円だけ乗っかってみたのです。
結果は見事に溶けた。まあ分かっていた結果ではあります。(強がりですね)
やられた瞬間に仕組みには気づきました。後から知りましたが、あれは「ポンプ・アンド・ダンプ」という、投資詐欺の古典的な手口でした。同じ罠に落ちてほしくないから、くわしくぜんぶ話します。
「怪しいとわかってても、ちょっと気になる」——それが罠です。ぼくもそうでした。
典型的な手口、全部見せます
ステップ1:信ぴょう性のある実績を見せる
最初の投稿はこんな内容でした。
「DOGEコインが100倍になったとき、ピカチュウコインが50倍になったとき、ぼくはどちらも的中させました。次に必ず来るコインがあります。知りたい人は今すぐいいねして、このキーワードをリプしてください!」

リプ欄には「教えてください!」「キーワード送りました!」という返信が何十件も並んでいる。これが「多くの人が信じている」という錯覚を生む。(そのカモの列に僕も加わってみたのです)
ステップ2:時間制限で煽る
しばらくすると投稿主が自分の投稿を引用リツイート。
「今日の12時に発表します。乗り遅れないように通知をオンにしておいてくださいね!」
締め切りを設けることで、冷静に考える時間を奪う。これはFOMO(乗り遅れ恐怖)を意図的に使った手口です。
ステップ3:LINEグループに誘導する
「これよく見かけるけど、どうなるんだろう?」と思い、興味半分で実際にいいねとキーワードを送ってみました。するとLINEグループへのリンクが届きました。
投稿によっては最初から「友達登録すれば教える」とリンクが貼ってあるパターンもありますね。
グループに入ると、こんなメッセージが随時届きます。
「今85人います。100人を超えた時点で教えます。通知をオンにして待っていてください」
「あと少し!取引所のアプリを開いておいて、すぐに動けるようにしてね!」
「誰も知らない秘密のコイン、このグループだけに教えます!あなたの行動力が運をつかむのです!」

ステップ4:本当に銘柄が届く
そして時間になると、本当に具体的なコイン名が通知されてきました。もう忘れましたが、聞いたこともない銘柄です。“誰も知らない秘密のコイン”なのですから当然です。
取引所で検索してると、本当にある。しかもチャートが直前から急上昇している。(実はここが罠!)
「急がないと!」
すかさず5000円だけ購入!万が一本当だったら、という気持ちがありました。
正直本当はもう少し買いたかった!でも“怪しい”という気持ちがFOMOをギリギリ抑え込みました(トランプコインでやらかした直後なのにまたやるの!?という冷静な自分もいました。冷静な自分、弱!)
そして買った瞬間、チャートはガクンと下がりました。
これが「ポンプ・アンド・ダンプ」の仕組み
なぜこうなるのか。ちょっと調べたらすぐわかりました。
投稿主がやっていること
- 上場したばかりの超マイナーコインを見つける(時価総額が極めて小さい)
- そのコインを自分で大量に買い込んでおく
- Xとラインを使って100人単位の「客」を集める
- 全員に同時に銘柄を知らせ、一斉に買わせる
- 一斉購入でチャートが急上昇した瞬間に、自分だけが全額売り抜ける
- 大量売りでチャートは急落。残された客は売りが間に合わず損をする
投稿主だけが確実に儲かる仕組みになっているんです。
時価総額の小さいマイナーコインを選ぶのがポイントで、100人が5000円ずつ買うだけで50万円の買い圧がかかる。それだけでチャートが跳ね上がる。その瞬間に逃げる。うまい!一本取られた!と思いました。
これを「ポンプ・アンド・ダンプ」といいます。株式市場では違法ですが、規制の緩い仮想通貨市場では今も横行している手口です。
これ「詐欺」ではなく「合法的な罠」なのです。投稿主は嘘をついているわけではない。本当にコインを教えてくれる。ただ自分が先に買って、あなたが買った瞬間に売り抜けるだけ。だから捕まらないという仕組みです。
じんべ「合法的インサイダー」とか言ってる投稿もありました。
見かけたら注意してくださいね。


絵に描いたようなポンプ&ダンプ


小さいグラフだが8倍近く跳ね上げている
2026年版:日本株でも同じ手口が始まっている
そしてこれは仮想通貨だけの話ではありません。時流にのってポンプ&ダンプはやってきます。
2026年3月現在、イランへの攻撃によるホルムズ海峡の情勢や高市政権のレアアース採掘政策をネタに、エネルギー株や技術系小型株への「爆益期待」をあおる投稿がXに散見されています。


Xで株や投資について追いかけていると
すぐに奴らはやってきます
手口はまったく同じ。
「1年後に億り人になりたい人はフォロー!」
「この銘柄に今すぐ注目。知りたい人はいいねして」
「○○ショック前夜。動ける人だけに教えます」
時事ネタに乗っかって信憑性を上げ、FOMOを使って一斉購入させる。その時々によって扱うネタが違うだけで、構造はまったく同じポンプ・アンド・ダンプです。
FOMOとは
Fear Of Missing Outの略語。新しい情報や周囲の行動についていけないと、社会から置いてきぼりになってしまうと不安や恐怖を感じる状態のこと。 「今なの?買わなきゃ!」と焦って買ってしまうことです。
本物の情報と偽物の見分け方
ではどうすればいいのか?本当の投資情報を得たいのに詐欺情報とどうやって区別すればいいの?と思いますよね?
ここだけ覚えておいてください。
「厳しいことを言っている人が本物」
これまでの経験上、仮想通貨も、NISAも、副業も、世の中甘いことばかりじゃないぞ!と言っている人の情報が、本物です。たとえばリベ大の両学長も、仮想通貨のしょーていさんも、ひろゆきさん(はちょっと特殊ですが)も、ぼくが参考にしている情報発信者はたいていみんな「すぐには儲からない」「爆益を狙うな」「手堅くいけ」と言っています。
甘い言葉で楽に儲けられると言っている人は、ほぼすべて嘘か詐欺か、よくて自分のコンサルや情報商材のためにリストを集めている人なのです。
見分ける3つのチェックリスト
①「必ず儲かる」「絶対上がる」と言っていないか
② LINEやDMやグループチャットに誘導しようとしていないか(ただし有用なコミュニティ勧誘の場合もあり)
③ 「今すぐ」「急いで」と時間制限をかけて煽っていないか
投資に関する限り、1つでも当てはまったら即スルーでいいです。でないと数時間と五千円を失うことになります。(ぼくが代わりに失っておいたので大丈夫!)
まとめ
- Xの爆益投稿の多くは「ポンプ・アンド・ダンプ」という古典的な手口。
- 投稿主だけが儲かる仕組みで、参加者は確実に損をする。
- 2026年現在、同じ手口が日本株でも横行している。時流にのった甘い話には注意。
- 情報発信者は「厳しいことを言ってる人」が本物。甘い話は全部疑え。
次回:40代が仮想通貨を始める前に知っておくべき7つの心得。ぼくの失敗から逆算しました。



